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デンマーク型植物工場

循環型環境の垂直型植物工場で野菜を栽培する

コペンハーゲン近郊の7,000㎡の風力発電によって稼働する倉庫は、レタスやハーブを生産するヨーロッパ最大規模の垂直型植物工場です。

2050年、世界人口は約100億人近くになり、2010年と比較して約30億人多くの人口へ食糧供給が必要になると予測されています。全人口に食糧が行き渡るには、さらに56%以上の食糧生産が必要となり、また、農地の確保も不可欠になります。現在、既に50%の農業用地を利用しているため、農地の拡大を防ぐ必要から、食糧の生産方法を再考する必要があります。

微細藻類は、高いたんぱく質含有量があり、家畜への代替たんぱく質源として注目を集めています。微細藻類の栽培に必要な用地は、従来の飼料と比較して、栽培面積を1/10以下に抑えられ、農業栽培地として適していない土地でも早く効率的に育ちます。

循環型食糧システム

この垂直型植物工場がフル稼働すると、大きなサッカー場に相当する農地で、年間1,000トンのサラダ用レタスとハーブの生産が可能になります。ここで育つ野菜に使用された水は濾過され、100%循環型環境で成長することになります。水が野菜に栄養を与え通過すると、その後濾過され、再度野菜へと循環されるのです。水の使用量と野菜への栄養素の取り込みを100%コントロールすることで、無駄を無くします。従来型の農業と比較して90〜95%水の使用量の削減が可能になります。

水の使用量と栄養素の取り込みを100%コントロールすることで無駄を無くす

風力発電で動くデンマーク型農業

野菜は自然環境下で風や天候への抵抗、地面から栄養素や水を取り込む力、害虫から危険を守る、など今までの労力が必要が無い分、露地野菜より速く成長します。実際、種子から成長するまで2-3週間程しかかかりません。ノルディック・ハーベスト社は、年間に15回連続して作付け収穫し、農地栽培されるよりも100倍少ないスペースで1,000トンの野菜を生産できることを意味します。

この工場では、認可済みの風力発電で100%稼働し、カスタムメイドされたLEDダイオードを使用して、採光を調整し、野菜の種類ごとに最適な光合成を与えています。

垂直型植物工場は、デンマークの農業生産技術のイノベーションを示し、従来の農業生産方法を再検討して、より持続可能な方法に転換したことに大きく貢献しています。

Photo Credit: Nordic Harvest