海藻から採れるミネラルとビタミンのパワー
デンマークの新技術を用いれば、消費者にも環境にも有益な高品質の海藻を大量に生産することができます。環境制御された陸上栽培技術を用いることで、気候に優しい海藻の栽培ができ、さらに6gの乾燥海藻から、600gの野菜と同じ量のミネラルやビタミンが含まれる海藻を育てることができます。
デンマーク企業のピュア・アルゲー社は、デンマークで初めて、気候や環境に配慮した海藻栽培のための環境制御型陸上施設を開発した企業です。同社の革新的な技術により、最高品質の海藻を大量に生産し、レストランや食品企業、サプリメント用に、季節を問わず生鮮または加工して販売することが可能になりました。
健康の救世主
藻類は、地球上の光合成の50%を担い、二酸化炭素を酸素に変えています。気候変動によって海洋バランスが崩れる中、海藻を栽培することで大量のCO2(二酸化炭素)を回収することができ、海藻1トンにつき1.5トンのCO2を回収することができます。また、栄養豊富な水に含まれるリンや窒素などの汚染物質を中和することができます。このように、海藻は環境にとって重要な役割を担っているのです。
海藻にはミネラルやビタミンが豊富に含まれ、また海水で育つことができるため、地球上にわずか1%しかない淡水を節約することができます。ピュア・アルゲー社の施設では、海藻を背の高いタンクで垂直型栽培をしているため、少ないスペースで大量に生産することができます。このようにピュア・アルゲー社は、海の生態系(エコシステム)に影響を与えることなく、健康的で栄養価の高い持続可能な食品を生産する方法開発しました。
SDGsに貢献するスーパーフード
ピュア・アルゲー社は、持続可能な開発目標の2「飢餓をゼロに」、12「つくる責任つかう責任」、13「気候変動に具体的な対策」、14「海の豊かさを守ろう」に対応しています。創業者のエスベン・クリスチャンセン氏は、屋内の革新的な技術を用いて海藻を生産することで、海の天然資源を枯渇させないことを強調しています。この技術によって、高品質の海藻を継続的に生産し、さらには海藻に含まれるアレルゲンや農薬、高濃度の重金属の増加を避け、製品の安全性を確保できるのです。
Photo Credit: PureAlgae
Source Confederation of Danish Industry (in Danish) and Pure Algae